Love nest~盲愛~
狂おしいほどの愛が降り注ぐ。
熱く塞がれた唇は、今までのどのキスよりも蕩けるように甘く。
絡め取られる舌先に余裕すら与えぬほど執拗に追われて。
甘美な刺激に呑まれて意識が朦朧として来た、その時。
急に体がふわりと宙に浮き、心地よい揺れを感じた。
そっと下ろされた場所はもちろんベッドの上。
キングサイズの大きなベッドが用意されていて、優しい香りのアロマが焚かれている。
私の知らない所で、彼は私の為にどれほどの努力と苦労を重ねたのだろう。
「哲平さんっ」
「ッ?!……どうした、怖くなったか?」
首に抱きついてものだから、驚かせてしまったようだ。
「好きっ、……大好きっ」
「フッ、こういう時は、愛してると言え」
「っ……んっ……」
まだまだ愛情が足りないと言わんばかりに煽るキス。
絡められた指先がシーツに張り付けられ、首や肩、鎖骨にその更に下にも赤い薔薇を幾つも散らして。
何故か今井さんが用意してくれた寝衣はどれもセクシーなものばかりで。
ガウンで必死に隠していたのに、結び目が解かれたら何の意味もなくて。
急にあらわになった恥ずかしさで肌が粟立つ。
そんな私を宥めるかのように、彼の指先がゆっくりと肌を這う。
終わりの見えない波が押し寄せて来るように、抗う術もなく、その甘い刺激に体の隅々まで呑まれてゆく。
ーーー
ーー
ー
「爪を立てても構わないから、俺の全てを受け入れろ」
私に出来ることは、全てを捧げる以外何もない。
それでも足りないくらいの愛を彼から貰っているのだから。
今までに感じたことのない程の切り裂かれるような痛みを感じると共に、湧き起こる幸福感も感じて。
彼から与えられる証だと思うから。