Love nest~盲愛~
不思議な事に、あんなにも恥ずかしくて下着姿を見られるだけでドキドキしていたのに。
肌を重ねたから?
何もつけずに肌が直に触れる事の方が安心する。
ぎゅっと抱き締められ感じる彼の体温の心地よさ。
全身を貫かれたような鋭い痛みがあるのに、それさえも幸せに感じさせてくれる人。
痛みのあまり体が小刻みに震えていたようで、何度も優しく頭や背中を摩ってくれる。
「えな?」
バリトンボイスはいつ聴いても甘い痺れをもたらすらしい。
「……す………きっ…」
朦朧とする意識の中で、彼に寄り添いながら…。
「煽っておいて寝るか?フフッ、可愛い寝顔だな」
寝落ちてしまったえなの乱れた髪を指先で流し、あらわになった額にキスを落とす。
腕の中で眠る最愛の人を優しく抱き締めて。
**
「んっ、痛っ……」
翌朝目が覚めると、着た覚えのない下着が着けられていることに驚く。
いつの間にか昨夜は寝てしまったようで、彼が着せてくれたのだろう。
それらを確認するのにほんの少し体を動かしただけで、全身が悲鳴を上げるほど、鋭い痛みと鈍い痛みの二重奏が鳴り響く。
それと同時に、隣で心地よい寝息を立てている彼のぬくもりを感じれる幸福感と安堵感を。
痛みを堪えて彼に抱きつくと、彼を起こしてしまったようだ。
「おはよう。体の痛みは?」
「ありとあらゆるところから」
「フフッ、それは痛そうだな」
笑ってる場合じゃないでしょ!
そもそもこの痛みを与えたのはあなたなのに。
「後悔してるか?」