Love nest~盲愛~
視界の先に、骨ばった指先が現れた。
その指先にはキラリと輝くチェーンがあり、ひんやりとした感触を私の足首にあしらった。
「俺から離れる事は許さない。これは、俺からの条件だ」
彼の言う『条件』とは、等価交換の契約を意味している。
離れる事は許さないと言う言葉も、足首にあしらわれたアンクレットも。
彼の願望である『拘束』を意味していた。
「どこへも行きませんよ。私の望みを叶えてくれるなら……」
そうよ。
私には私の望むモノがある。
それさえ満たしてくれるなら、私は貴方の玩具にでもなるわ。
ひんやりとした足枷が、現実を物語っていた。
私の言葉に満足そうな笑みを浮かべる彼。
どうしてここまで私に執着するのかは解らないが……。
それでも、お互いの願望が交差しているなら、何の問題も無い。
私は私。
自分に出来る事をするまでよ。
彼のエスコートでショップを後にした。
そして、再び来た道を舞い戻り、先程のホテルへと到着した。
「そう言えば、私が着ていた服と、先程の試着した服はどうされたのですか?」
「あぁ、それなら、白川に自宅に運ばせたから心配するな」
「………そうですか」
「それよりも……」
「………はい?」
ホテルのエントランス先で、急停止した彼。
私の腰に回された手に力が入る。
そんな彼を見上げるように顔を持ち上げると。