Love nest~盲愛~
怯える夜
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彼と入浴を共にして以来、彼との距離が少し近くなったように思う。
今まで避けていた事を直接聞けたから?
ううん、本当は違うと分かっている。
彼の心の奥を覗けたからだ。
大金で気軽に買われた身だと思っていたのに、もしかしたら違うのかもしれないと思い始めていた。
私が未経験だと知っても動じない所をみれば、当然分かっていたのだろう。
だとしても、強引に関係を持つことだって可能なのに。
何度も密着して、それらしい雰囲気になっても、決して一線は越えないようにしてくれている。
だからこそ、『西賀 哲平』という人物が気になり始めていた。
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とある日、帰りが遅くなると連絡が入り、先に休むようにと今井さんから伝言を受けた。
いつものように過ごし、23時過ぎにベッドに横になった。
ドンッ。
いつの間にか寝ていた私は、何かが当たるような打音が聴こえた気がして目が覚めた。
すると、部屋の外から僅かな呻き声のようなくぐもった声が聴こえた気がした。
気になったままでは寝れないと思い、廊下に出てみる。
廊下には異常がないようだ。
隣の部屋のドアに耳を静かに当ててみた、次の瞬間。
先ほどと同じような呻くような唸るような声がドア越しに聴こえて来た。
コンコンコンッ。
ドアをノックしたが、返答がない。
寝ているのだろうか?
いびきでは無さそうな気がして、もしかしたら具合でも悪いのでは?と思い、躊躇しながらもドアノブを捻った。
常夜灯が灯る室内を進むと、ベッドの脇で蹲る彼を見つけた。