Love nest~盲愛~
「大丈夫ですかッ?!」
「ッ……っ……」
体を支えるように手を添えると、凄く汗を掻いているのが分かる。
更に、体が小刻みに震えている。
額に手を当てるが、熱は無い。
「どこかが痛むとか、苦しいとかありますか?」
「……んっ…」
胸や頭を押さえているとかではないから、どこかが痛むのでは無さそうだけれど。
原因が何なのか、分からないと対処のしようがない。
「待ってて下さいっ、誰か呼んで来ます」
彼の手をぎゅっと握って、助けに求めに行くことを伝え、腰を上げた、その時。
彼がぎゅっと握り返して来た。
「…ぇなッ、………大丈夫だっ」
「でもっ、大丈夫じゃなさそうですよっ?」
「……平気だからっ……ッ……」
呼びには行って欲しくないのかもしれない。
この状況を知られたくない、……そう感じた。
「ベッドに横になれますか?」
彼を支えるように腕を貸す。
私の声に反応するように彼は小さく頷いた。
ゆっくりとベッドへと彼を移動させて、横たわらせる。
彼の体はまだ少し震えていて、それが辛そうで痛々しく見えた。
汗を掻いたままでは風邪を引いてしまうと思い、着替えを取りにウォークインクローゼットへと。
パジャマの替えを手にしてベッドに戻り、その足で脱衣所にあるタオルを湯で濡らし絞ったものを手にして彼の元に戻る。
「汗を掻いたままでは風邪を引くので、着替えを……」
彼からの返答は無い。
シルクのパジャマのボタンを外し始めても抵抗する様子が無い所みると、承諾したとみなしてよさそうだ。