君が私にキスをした。
試験まで2ヶ月
私は焦っていた。
体調なんて壊してる暇ないのに、ずっと体の様子がおかしい
勉強しなきゃ
「れいちゃん、今日も残るの?」
「うん!私まじで勉強しないとやばいもん」
咲季はバイトなのかな
そんな会話をすると、また明日ね と言って帰って行った
その途端になる携帯画面には”健さん”の文字
あーーーめんどくさい
本当毎日毎日ふざけんなよ。
最近ちょっとしたことで苛々してしまう
少ししてからかけ直そうと 私はそれを無視して 机に向かった
今日は金曜日だからかな
珍しくB教室は私ひとりだった
そんな時 教室の扉の開く音がした
あまり気にせず テキストに目を向けていると、私の横を青が通る
……あ…。
それは初日に見たブルーのパーカーを着た彼だった。
ずっと見ていなかった
彼はきっと今日もA教室で勉強していたのだろうが、なぜか荷物を持ってここへ移動してきたみたいで
珍しいな。
彼は背が高い
そして、公務員専門学校には真面目な雰囲気の人ばかりなのに 彼だけは周りと少し雰囲気が違う。
髪の毛は茶髪のマッシュヘアーで
服装も今時の少しだけ奇抜なお洒落系
彼をまじまじと見たのは 今日が初めてな気がした
肌は白くて、でもマスクをしていて顔はよく見えなかった
あ……やばっ。
ずっと私が見ていたからか、視線が重なった。私は何もなかったかのように視線を逸らす。
そのまんま荷物を置いて彼は出て行った