君が私にキスをした。
「はぁ……はっ……はぁ」
息が乱れる。
これでもかという程、自転車のペダルを回して回して
もう何も考えられない程 無我夢中だった
お願いだから、間に合って……
「…きもっ」
彼が消えた教室で 数分が経過した時 私の携帯が再び光った
あーもうだるい
どうせ健さんでしょう
あまり出れなくなるとちゃんと言っていたのに、結局 毎日バイトに呼ばれ
最近すぐ苛々してしまう私はバイト中も健さんとぶつかっていた
無視無視なんて思っていたけど、やっぱりともしもの事を想像すると怖くなって
携帯を確認してしまった
「……は?」
しかし、携帯画面を見た私は言葉につまった
そこには
健さんから着信 1件
咲季から着信 3件と、
咲季からのラインが一言
”助けて”
だけだった。