君が私にキスをした。
教室は私ひとりだけだし、構わず咲季に電話をする
ーープルルルッ プルルルッ
着信音がとても長く感じた
嫌な予感がする
咲季。早くでろや……
苛々する。
ーープルルルッ プッ
「もしもし?!咲季?!どうしたの?」
「……」
「……咲季…?」
無言な咲季に、夏だというのに冷や汗が垂れた
「……玲ちゃん…」
「咲季?何があったの?」
電話越しの咲季の声は鼻声だった
きっと泣いていたのだろう
それは、絶望的な言葉だった
「玲ちゃん、私もう死にたい」