君が私にキスをした。
神社に着いて辺りを見渡しても、咲季の姿がなくてそれはより一層 私の不安を募らせる
「咲季!!!どこ!!!!」
不気味な程、静かで
「咲季!!!!」
何度呼んでも、返事をしてくれない咲季の存在がいつかの記憶を蘇らせる
「……れ、い…ちゃん」
咲季?!!!
声のした方に視線をやれば、泣き腫らし今にも消えてしまいそうな咲季がいた
「咲季!!」
駆け寄って、姿を確認すれば 生きていることに内心ほっとする私がいる
「……よかった」
「れいちゃん」
ねぇ、咲季。
いつも泣かないあなたに何があったの
「何があったの?」
「……正人くんが、別れようって……」
「正人くんって、昨日まであんなに連絡とって幸せそうに二人ともしてたじゃん」
正人くんとは、1年前から咲季が付き合っている3つ上の恋人だ