君が私にキスをした。



「あんたよりな、うちのがつれーってや!!!!!」







「痛っ…」



私は突き放すかのように咲季の胸ぐらから手を放し、その場から逃げた



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言ったことに酷く後悔を覚える



言ってからじゃ遅いのに…私って本当に馬鹿すぎ

咲季より辛いって……
その辛さを話さなかったのは私だし。何も知らない咲季からしたら酷な話だ


今の咲季は自分のことで精一杯なんだ

尚更、私の言葉を受け入れきる余裕なんてあるわけないじゃないか




正人くんの言葉を受け入れた咲季の心にはもう、私の言葉を受け入れきれるスペースなんてない
そんな彼女を追い詰めたのは他でもない、私なんだ……











「あーーーもう」



なんであんな残酷な言葉しか言えなかったのか


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