あたしはそっと月になる
それからの毎日は実夕の猛アタックが続いていた。



「ねぇ~~!!潤♪」



休み時間には必ず実夕はうちのクラスに顔を出し、矢口潤を呼ぶ。



お昼休み以外はたいていそんな実夕に捕まってしまう矢口潤。



「何?昨日メールで言っただろ??もういちいち来るなよっ!」



「うわぁ、冷たいんだぁ~。潤に会いたいからこうして来てんのに‥‥」



今日の実夕は髪の毛を一つにまとめて、おだんごをしてる。



上目遣いで矢口潤を見つめる姿はいつも以上にすごく可愛い。



「ったく……下田さぁ……なんで俺なわけ??お前モテるじゃん。別に俺じゃなくてもいいんじゃない??」



「無理、無理!潤じゃなきゃ駄目。潤じゃなきゃ意味がないのぉ」



「はぁ……なんだそれ??」



矢口潤の腕にしがみつくように甘えながら、



ニコっと笑う実夕。



その笑い方もかなり可愛い。



実夕がモテる理由もなんだか納得してしまう。

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