あたしはそっと月になる
5・・・決意
このドキドキが隣にいる矢口潤に伝わってしまったら??



どうしよう。



そう思うと止まらないドキドキ。



手の平で自分の熱い頬をそっと押さえる。



きっとビックリするくらい真っ赤な顔のあたし。



あたしの歩幅に合わせるように、ゆっくりと歩く矢口潤。



好き。



好きなの。



そんな気持ちが溢れていく。



あたしはね、実夕よりずっと前から、大好きなんだよ。



そんな事が言えたなら……。



もしも、そんな風に、



言えるなら…………。



この想いを伝えることが出来たなら。



そうは思っても頭に浮かぶのは実夕の顔。



言えない。



そう、あたしには言えない。



言えるはずないんだ。

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