あたしはそっと月になる
「うん……分かった…」



ねぇ……あたしは変われるかな??



あたしを見て、微笑んでくれる矢口潤。



変われるのかな??



心の中でつぶやくあたしのひとり言。



それを見透かすように、



「樹里なら大丈夫だって……自信を持って!」



と、矢口潤が言う。



変われるね。



きっと。



こうして矢口潤のそばにいられるのなら。



あたしは変わっていけるんだ。



ふと目にした図書室の時計は昼休みの終わりの時間。



「ヤベっ。時間だな」



「うん……」



あたし達は少し慌てながら図書室を出た。




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