あたしはそっと月になる
「そう言えばさぁ…もうすぐバレンタインじゃん」
放そうとした繋いだあたしの手を見つめながら、
急に思い出したように矢口潤が言った。
「樹里はさ、俺にくれんの?」
「……うん。あげるつもりだよ。手作りとか初めてだから、実夕に教えてもらいながら作るけどね」
そう。そうなんだ。
実夕も今、新しい恋をしている。
手作りチョコも、好きな人にあげるのでさえ、
あたしには初めてのこと。
実夕は笑顔であたしに、
「めちゃくちゃ美味しいチョコ作ろうね」
と、言ってくれた。
「手作りかぁ~。俺、感激して泣くかもっ……」
「あはっ…ま~さかっ」
あたしが笑うとふと真顔になった矢口潤。
「えっ…??」
放そうとした繋いだあたしの手を見つめながら、
急に思い出したように矢口潤が言った。
「樹里はさ、俺にくれんの?」
「……うん。あげるつもりだよ。手作りとか初めてだから、実夕に教えてもらいながら作るけどね」
そう。そうなんだ。
実夕も今、新しい恋をしている。
手作りチョコも、好きな人にあげるのでさえ、
あたしには初めてのこと。
実夕は笑顔であたしに、
「めちゃくちゃ美味しいチョコ作ろうね」
と、言ってくれた。
「手作りかぁ~。俺、感激して泣くかもっ……」
「あはっ…ま~さかっ」
あたしが笑うとふと真顔になった矢口潤。
「えっ…??」