[短編]初恋を終わらせる日。



全部、嘘だった。

世界は想像以上に残酷で、私に冷たい。


何なの、これ。

一体何の仕打ちなのよ。


何でこんな目にあわなきゃいけないの。

私がなにをしたっていうの。


私は、ただ、ただ……っ。




「僕が本当に好きなのも、優しくしたいのも、全部全部、佐和ちゃんだけなのに」




君が好きなだけだったのに。

ずっとずっと、君だけが大切で、大好きだった。


優しくされたくて、好きになって欲しくて、可愛いって思われたくて、頑張ってきたのに。

そんなの、君にはどうでも良かったんだね。


お姉ちゃんと同じ顔をしてる。

私にはそれだけで十分で、むしろそれ以外なんて最初から望んでないし、必要なかったんだね。

だって内面や他のところなんて、君には関係なくて、どうでも良かったんだもんね。


私は一体君のなにを見て、どれだけを知って、好きなつもりでいたんだろう。



私が好きだった君は、偽物?

私が好きだった優也くんは、一体誰?





< 28 / 68 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop