[短編]初恋を終わらせる日。
全部、嘘だった。
世界は想像以上に残酷で、私に冷たい。
何なの、これ。
一体何の仕打ちなのよ。
何でこんな目にあわなきゃいけないの。
私がなにをしたっていうの。
私は、ただ、ただ……っ。
「僕が本当に好きなのも、優しくしたいのも、全部全部、佐和ちゃんだけなのに」
君が好きなだけだったのに。
ずっとずっと、君だけが大切で、大好きだった。
優しくされたくて、好きになって欲しくて、可愛いって思われたくて、頑張ってきたのに。
そんなの、君にはどうでも良かったんだね。
お姉ちゃんと同じ顔をしてる。
私にはそれだけで十分で、むしろそれ以外なんて最初から望んでないし、必要なかったんだね。
だって内面や他のところなんて、君には関係なくて、どうでも良かったんだもんね。
私は一体君のなにを見て、どれだけを知って、好きなつもりでいたんだろう。
私が好きだった君は、偽物?
私が好きだった優也くんは、一体誰?