[短編]初恋を終わらせる日。
今、君に好きなんて言ったところで何も変わりはしないんだから。
だって、ずっとずっと、私は君に伝えてきたんだから。
好きだって、大切なんだって、だから私のそばにいてって何度も言ったのに変わらなかったって言うのに、そんな言葉を聞いて、今更君はどうしようっていうのよ。
ーー僕も好きだよ、なんて薄っぺらい言葉を今日もまた私に突きつけるの?
「……じゃあ、何でさっちゃんは別れるなんて言うの?」
「何で私が別れようなんて言うのか、優也くんには本当に分からない?」
真っ直ぐに私に向けられる視線が痛くて、目を逸らしてミートボールに箸を伸ばそうとすれば、真面目に話してるんだよと優也くんに咎められた。
……私だって、真面目に話してるもん。
正気でいるために、こうやって冷めた態度を取って、何とか自分を保ってるんだもん。
幼なじみじゃん。
ずっとそばにいたじゃん。
それなのに、どうしてそんなことも見抜いてくれないの。