[短編]初恋を終わらせる日。
「だって優也くんは私なんか好きじゃないじゃん…!!」
「そうだよ。でもそんなこと最初から知ってたでしょ?」
たん、と軽快な音を立て机から降りると優也くんはそう尋ねた。
……そうだよ、知ってたよ。
それでもね、希望を持ってたの。
いいやーー持ちたかったの。
それはさ、優也くんだって知ってたでしょ?
「ならさ、いつか私が耐えられなくなる日が来ることを知ってたでしょ?」
「そうだね」
それでも優也くんは、私でも構わなかった?
お姉ちゃんは自分を好きにならないから、同じ顔をした私でも平気だった?
「その日が来ただけだよ。だから、別れてって言ってるの」
「やーだ」
それはお姉ちゃんがまだ自分を好きにならないから、私はキープしてたいってこと?
見たことないほど生き生きとした顔で、君は私の言葉を拒む。
その真意が、私には分からない。
「大人しくしてれば、ちゃんと愛してあげるよ?」