[短編]初恋を終わらせる日。
「何で後悔させるの……?」
もう分かったってば。
私が好きだった優也くんは偽物だってこと。
偽りの姿で、本物の優也くんじゃなかったってこと。
だから、お願い。
これ以上、後悔させたりなんかしないで。
君に恋をした日々、すべてを悔やんでしまうほど、全否定したりしないで。
「私は、本気で好きだったのに……っ!!」
どんなに君が最低で、酷い人間でも、私にとっては間違いなく初恋なの。
初めて好きになった人なの。
「だから、俺はーー」
「うるさい!それでも私は好きだったんだから仕方がないじゃん!!」
許さない。
いくら優也くんでも、この想いだけは否定させない。
優也くんはどうとか、そんなの関係ない。
これだけは譲れない。
報われる想いだけが、叶うものだけが、恋ってわけじゃないでしょ?
どんな結末が待っていようとも、関係ないでしょ?
私は君が好きだったーーこれだけは、揺るぎない真実なんだから。