[短編]初恋を終わらせる日。
「バカみたいって思うだろうけど、いつか好きになってくれるんじゃないかって夢見てたの!」
一途に思い続ければ報われるって、心のどこかで期待してた。
お姉ちゃんを除けば、君に一番近い存在は私だって思ってたから。
あのね、意外と私、本気でそんなこと思ってたんだよ。
「そんなこと、あるわけが無かったのにね……!!」
視界がぐにゃりと歪む。
そんな歪な世界で、君が眉を下げ、少し困った顔をしたような気がした。
きっと私が都合のいいように解釈してるだけなんだろうけどね。
だって優也くんにそんな顔をする理由がないもんね。
真っ直ぐ気持ちをぶつけて、何かが変わるようなレベルのことじゃないでしょ?
どんなに足掻いたところで、私の気持ちは真っ直ぐに君の元へと届かないでしょ?
……だって君は、受け取る気がないんだから。
瞳を伏せ、ぐっと唇を噛んだ、その時。
ガラリと、ドアが開く音がした。