[短編]初恋を終わらせる日。
その真っ直ぐな想いが、痛かった。
ぎゅううっと胸を締め付ける。
「だから、こいつを傷付ける奴は、誰であろうと絶対に許さない」
「……っ、」
私と優也くんの間に腕が伸びてきて、私の左腕をしっかりと掴んだ。
ドン、と優也くんの胸を押して私の前に立った彼の顔を見る。
「……あ、まや」
情けない声で、名前を呼んだ。
眉間にシワを寄せて私を見つめる彼の顔は、怒ってるようにも、困っているようにも見えるし、もしかしてら泣いてるようにも見えるかもしれない。
「……帰るぞ、美沙」
「きゃっ……」
その言葉に私が頷くよりも先に腕を引いて、立ち上がらせた。
そして、ようやく彼の腕が震えてることに気付く。
……ごめんね、天谷。
私はいつでも貴方に迷惑をかけて、振り回りして、困らせてばかりだ。
「二度と美沙に近付くな。次何かしたら、マジで何するか分からないからな」