[短編]初恋を終わらせる日。
「美沙ちゃんは何もしなかったんでしょ?だから私が代わりにやったの」
理解が出来ないというような、優也の顔。
「ねえ、優也」
サラサラの髪。
綺麗な丸い瞳。
透き通るほど白い綺麗な肌。
それに似合わないほど、あんたは嘘だらけで真っ黒だった。
歪で、人として大事な何かが、明らかに欠けていた。
「……本当にバカなのは、誰だろうね?」
そんなのさ、私はとっくに気付いてた。
小学生の頃には、知ってたよ。
「……どういうこと」
「私が本当に美沙ちゃんが嫌いだと思ってるの?ってこと」
たった一人の妹。
大切じゃないと思う?
嫌いだと思う?
ねえ、簡単な質問でしょ。
元々丸い瞳を更に丸めてまで、一体何にそんなに驚いてるわけ?
「仕方がないから、教えてあげる。バカな優也の為に」
救いようのない、君の為に。