PINKY
私が彼に会ったのは
あの日から二日後だった。
先生に頼まれて大量の書類を抱えた私が
資料室のドアを開けたとき
そこにいたのはあの日の彼と
同級生の女の子。
私は自分が見た光景に
特に何も感じず、ゆっくり
ドアを閉めた。
そして向きを変えた瞬間
バンッ
さっき閉めたドアが開き
そこから出てきたのは彼だった。
「え、」
急に出てきた彼に私は驚いてしまい、
うまく言葉が出てこない。
「資料室に用があったんだろ?
もう終わったから入っていいよ」
「…?」
彼はそれだけ言うとはだけた制服を
直しながらどこかへ行ってしまった。
私はそれを無表情で見送った後、
またさっきのドアを開けて
重たい書類を抱えながら中に入る。
ここはなんだか蒸し暑い。
そして思い出したかのように
ふと前を見たら
…やっぱり
さっき彼としてた女の子が
不機嫌そうな顔で私を睨んできた
「あんたのせいで真広に
逃げられたんだけど」
女の子の言葉に首を傾げる。
…え、でもさっき終わったって
私が何かいう前に女の子は
私の肩にわざとぶつかって
そのまま出て行ってしまった。
「あっ…」
女の子が肩にぶつかってきた衝撃で
手に持っていた書類がどさっと床に落ちる
あの人、真広って名前なんだ。。