PINKY
恋が動きを止めると
繋がったまま私を抱き上げた。
「ごめんけどこいつには
近づくな。お前には他に女
いるだろ?だから美優はやめろ」
恋は私を抱く力を強めた。
でも真広が背後から近づいてくる。
そして私に手を伸ばした。
その手は来るの?来ないの?って
まるで聞いてるかのよう。
私は迷わずその手を握った。
そしたらその手は私に
ギュッと握る力を入れて
私を立たせようとする。
でも私は恋に抱かれてるから
なかなか立ち上がれなかった。
「恋、離して。」
「やだ」
「お願い。」
「無理」
しばらく続いて
でも私から離れた。
そして恋を一度も振り返らないまま
私はそのまま真広と屋上に上がった。