幻想館ーシンデレラ編ー
シンデレラ第一幕が終了した。



私はフーッと息をもらした。


自分でも信じられない位映像に引き込まれていた


「少し休憩しましょうか、アーモンド風味のクッキーが焼きあがったので」



まあ、いつの間に・・・?



彼の行動は私には予測出来なかった。



ランタンの灯り。


何て心が落ち着くのかしら。



ポットから注がれる紅茶の香りが、部屋中に広がっていくようだった。



「私はこのまま、此処にいてもいいのかしら」



「もちろん構いませんが、きっと時がそれを許してくれないでしょう」



「時が・・・?」


「時が経てば苦しみや悲しみから解放される事もあります。
苦楽は常に紙一重だと思いませんか」



「人はどうして幸せなままでいられないのかしら・・・」


「あなたの幸せの値が50としたら、残りは誰かを不幸にしているのかもしれないですよ。
言い換えれば、誰かを不幸にしているから、あなたの幸せが削り取られているのかもしれまぜんね」



彼の言葉がグサッと突き刺さった。



私は誰を不幸にしてきたのでしょう?
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