幻想館ーシンデレラ編ー
私だって悲しみに耐えていた時期があった。



愛されない思い


時には人の心を悪魔にも変える。



全ては幼少の頃からの辛い思い・・・。



でも私は、自分の力で登りつめてきたのだから。


誰かを犠牲にしてもその事で他人にとやかく言われる事に、いささかの抵抗があった。



もっと私より悪人は沢山いるじゃない。



「それは自分の本心なんですか」



「そうよ・・・幸せになる為なら、何だってやってきたわ!」



「確かに人間は、己の私利私欲の為ならどんな事でもするかもしれません。
気づかない内に誰かを傷つけ、やがて人の心は病んでいく
人間は愚かな生き物ですね」



まるで彼は自分が人間ではないような口振りだった。



あなたはいったい何者なの?



私の問いかけには答えてくれないの!



どうしたのかしら?


急に眠気が・・・・・・


私は突然の睡魔に、なすすべもなかった


そして・・・


瞼の閉じる瞬間、


彼の瞳は青から赤へ変わった・・・・・・。
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