幻想館ーシンデレラ編ー
そして、シンデレラの所にもお城の大臣と家来がやって来ました。



「さあ、このガラスの靴を履いて見せよ」


大臣に言われた通りまず上の姉が靴に足を入れた


しかし、かかとが少し出てしまった。


それを見て慌てた義母は、娘達を一旦呼び寄せた。



「何としても靴を履くんだよ!」


そう言われて二人の娘は、足の指を丸めてその上から布を巻き付け、再び大臣の前に現れた。



しかし、丸めた指はつま先まで届かない

こうなっては仕方ない。


義母は下の娘をまた呼び、物陰に身を隠した。



「よく、お聞き!
お前だって贅沢がしたいだろう、少し痛いけど我慢するんだよ」



大臣はなかなか出てこないのでしびれをきらしていた。


そこへ、血の気のひいたさっきの娘が、母親に抱きかかえられながら現れた。


義母は椅子に座らせ無理矢理、足を靴に押し込んだ。


すると娘は「ギャー!!」と叫び声をあげると気絶してしまった

家来が靴を脱がせ、よくよく見ると、惨い事に指がなかったのである。


呆れ果てる大臣。


「お前は何て酷い母親なのだ!
ええぃ、他に娘は居ないのか!」


義母は怯えながら言った

「前妻の子供がおりますが、あの子は舞踏会には連れて行きませんでした」
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