幻想館ーシンデレラ編ー
場面は王子様の途方に暮れるシーンから始まった



「大臣、シンデレラは何処へでかけたんだ」


「ハア・・・確か・・・」


実は大臣も行く先はわからなかった。



あんなにしとやかなシンデレラは、結婚して3年経つと人が変わってしまった。



今まで我慢をしてきたせいか、清楚なイメージが崩れてきたのだ。



王様も王女様も引退し王子様は毎日職務に追われる身であった。



シンデレラは毎日が退屈だった。



一人でいる事に慣れていたのに・・・。



望みは何でも叶う。


でも何だか、違うような・・・・・・。



王子様は確かに聡明で優しい方だが、国を任される時期が早かったのでは・・・?


シンデレラは、無神経な義母や姉達から一刻も早く離れたかった。



王子様がシンデレラを選んだのは、単なる偶然・・・?



そんな事はないわ!


シンデレラは自問自答する。



「ねえ、あなたなら私の気持ちがわかる筈だわ」



えっ・・・!


誰に問いかけているのかしら?



シンデレラがまっすぐ、私を見つめている。



やっぱり、私なの?



シンデレラは頷く。



「あなたは私、私はあなたなのです」


シンデレラは答えた


待って!


何を言っているの?


しかし、シンデレラの問いかけはまだ続く。
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