幻想館ーシンデレラ編ー
可哀想なシンデレラ


頬を伝う涙。



何故こんなにも涙が出てくるの?



そう、思い出したの!


主人の裏切り。


そして、産まれた子供も引き離された。



自分の分身とも言える子供との突然の別れ。



私は気が狂いそうになった。



これはいったいどういう事なの!



私はまた孤独になった。



自分の寂しさを紛らす為に、別の男性に愛情を求めた。


その場限りの恋愛ごっこも悪くない。



私はあなたに望まれた女性ではなかった

結局、私の周りに集まる人間は、みな最後は拒絶してくるのだ。



拒絶は私を別な人格に変える。


自由奔放。


きっとみんな呆れてしまうくらい。



主人はそれでも、私を野放しにしていた


そして・・・・・・十年後

私は屋敷から追い出され、離婚した。



わずかな手切れ金でこれからどう生きていけばいいの?



あれから、子供はどうしているのかしら


色々な思いが頭の中を駆け巡っていた。



もう、死んでしまいたい・・・。



今さら私に何が残されているというのだろうか・・・?



絶望感は益々失意だけを生み出していく

私の心は歪んでいった。
< 29 / 36 >

この作品をシェア

pagetop