幻想館ーシンデレラ編ー
「どうかしましたか?」


「いえ・・・」


何だか人生を急ぎ足で進んで来たようだわ。



ふと、そんなふうに思った。


そして、ティーカップに手を伸ばしたその時・・・!


「きゃぁ!」

大声をあげてしまった。


私はゆっくりと壁に掛けてある鏡の方へ向いた。


落胆のため息がもれる。


私ったらバカみたい

何を期待していたの


「夢が終わったのね・・・・・・」


「夢はいつか終わるもの・・・あなたは夢を見続けていたかったのですか?」


「そう、出きるなら永遠に・・・私の孤独感を癒やすのは、夢の中で生きる事」


「それさえも叶わなかった・・・」


「ええ、そうね」


老いた姿は、紛れもなく今の自分。



いや、それは否定しない。


「私は幼い頃から独りだった・・・だから最後もきっと独りでしょ」


投げやりな言い方だった。



すると館長さんがフッと笑った。


「それは、どうですかね?」


何だか思わせぶりな言葉に聞こえた。



「もう・・・お別れかしら?」


「物語にお付き合い下さいましてありがございました」



その声が次第に遠のいていくのがわかった・・・・・・。



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