幻想館ーシンデレラ編ー
そろそろ最後の時が来たのだろうか・・・?


体中の灯りが消えていくようだった。


私にはお似合いの幕引きでしょう。



独りという言葉の響きにも慣れてきたようだし・・・。



私という存在。



「ほら、やっぱり独りでしょう」



もう私の問いかけに誰も答えてはくれない。



重い瞼をゆっくりと開けた。



窓際の小さなテーブルに一輪挿しの花瓶

そこには清らかな淡いピンク色の鈴蘭が挿してあった。


すると


急に涙が・・・・・・





まだ私にも・・・?

やがて



自然と微笑む。



そして


私は瞼を閉じた。



鈴蘭の花を目に

焼き付けて・・・・・・。

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