好きなんです!
2
「どうして彼女じゃなくセフレを作るの?」
「っ!それ、は…。」
一瞬ものすごく辛そうな顔をしたのを見逃さなかった。
何か理由があるのだと分かったし、話したくないのだということも。
「ごめん、別に話したくないなら話さなくていい。そんなに知りたいわけでもないしね!」
まだ俯いている優馬にわざとふざけて声をかけるとゆっくりと顔を上げた。
その表情は今まで見たこともないくらい暗くて辛そうだった。
「悪い。お前のこと信用してないわけじゃないんだ。ただ思い出したくないことがあって…。」
「そう。そういうのは無理に思い出すことはないと思うしいいの。」
「さんきゅ。」
弱々しい笑みを浮かべた優馬に胸がドキッとした。
見たこともない笑い方だったからだと言い聞かせる。
母性本能なんだと。