ほんとはずっと。
…zzZZ

ん?寝息?
準備室の方から聞こえる。
かなり大きな寝息じゃん。
「入りまーす」

はぁ。寝てんじゃん。
遅れてきた30分でどれだけ進んで
帰れたかわかんないのかな?
これはバカにしすぎたけど
進んでるものと思ってた。
はぁ、こいつは学歴だけの男だ。

「先生、遅れました、すみません」

「何してたんだよ。」

「櫻井先生の用事を。」

「俺とどっちが先約だった?」

「酒井先生です。」

「じゃあなんで遅れたんだ?」

「それは櫻井先生の方が年上だからです」

「生意気だな。」

「すみません。でも先生だって寝てるのは意味わかんないですけど?」
確信をついてやった。

「そりゃ眠くもなるよ、ハハ」

なんにも笑えない。しかも理由になってない。なんなんだ。この大学あがりめ。
多分この人とずっといたら口めちゃくちゃ悪くなる。本当にそう思う。
それより早く終わらせて部活に行きたい。
「先生、資料は?」

「あ。」
ものすごく嫌な予感がする。
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