ほんとはずっと。
パチ パチ パチ…

ひたすらにホチキスで止めていく音がする

先に沈黙を破ったのは先生。

「作業押し付けた上にもう一つ頼みいいか。」

これは私にもわかるくらい切なげで。
なにか崩れそうな表情のひとりの男の人だったから。

『なんでしょうか』

「俺さ。彼女と別れたの。
俺はまだ別れたつもりじゃないんだどな。でも多分あいつはもう忘れてる。」

「お前たちがまだ小学生の頃、
東北の地震あったろ。
俺あの頃東北いたのね。
そこで俺は…」
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