yellow ribbon
男の子と並んで歩くというのに慣れていない私は少し恥ずかしかった。
「中野さん何中?」
「西中だよ」
「へー。俺東中だから反対方向だな」
「え…」
東中って確か…。
一人の男の子を思い浮かべた時。
赤地くんはあ…と声を漏らした。
「夏樹ー!」
ドクン
私の心臓が大きく音を立てた。
私の隣から離れて友達の元へと近寄って行く赤地くん。
だけど私は反対に足が止まってしまって動けなくなった。
「お前委員会何にしたの?」
「環境」
「マジ?一緒じゃん」
最悪。
どうして。
環境なんて…全然キャラじゃないじゃん。
「お前環境なんてキャラか?」
「お前に言われたくない」
「…俺は他の委員会が良かったけどじゃんけんで負けたんだよ!」
仲良くじゃれ合っている二人に、少し離れたところで立ち竦む私。
周りから見れば不審でしかないだろう。
それでも私は動けなかった。