yellow ribbon
頭もあげられない。
もし、もしもまた無視されたら。
知らない人を見るような目で見られたら。
泣きそうになるのをグッとこらえて早くこの時が過ぎるのを待つ。
だけどそんなこと知りもしない赤地くんは。
「この子中野さんってーの!俺と同じ環境委員。大人しい子だから虐めんなよ〜?」
私が恥ずかしがってると思ったのだろうか。茶化すように紹介してくれた。
「…ふーん、そうなんだ」
ふ ー ん そ う な ん だ
まるで初めてかのように。
そんなわけないのに。
まるで忘れてしまったかのように。
嫌、まるでじゃない。
実際そうなのだろう。
それからも二人は何かを話していたけどまるっきり頭に入ってこなかった。