yellow ribbon


自己紹介と基本的な仕事内容の説明、最後に今期は他に何をしていくかの話し合いだった。

委員長が前で話してる中、私はそっと斜め前に座る夏樹くんの背中を見た。

…背中、広い。
背も沢山伸びて高くなったし。
3年間で凄く変わっちゃったな。

きっとモテるんだろうな。


夏樹くんが女の子に囲まれているところは簡単に想像がついた。

その子たちには優しいのかな。
笑ったりするのかな。
それとも小学校の時のように意地悪な事を言うのだろうか。


考え出すと止まらなくなってきて、胸の奥深くがチリリと痛んだ。
その痛みの正体は分からなかった。


夏樹くんが忘れてしまったなら、私も忘れよう。
きっと忘れることは出来ないけれど。
だから忘れたふりをする。

…これ以上惨めになりたくないから。


< 17 / 89 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop