yellow ribbon
しばらく歩くと着いたのは理科室前だった。
…よりによって。
前にここで話して以来夏樹くんとは一言も話せてないな。
こないだ玄関で会ったけど舌打ちされちゃったし。
思い出して落ち込む。
「ねぇ、率直に聞くんだけど」
「はい!」
他に意識を向けてたところに話しかけられて、勢いの良い返事をしてしまった。
だけど木下さんはそれどころじゃないのか気にした様子もない。
自分の指にクルクルと髪を巻きつけながら、ちょっと睨むようにこちらを見た。
「悟のこと狙ってんの?」