yellow ribbon
「中野さん、おはよう」
背中をポンとされ、ハッとした。
…またぼーっとしてた。
危ない、危ない。
「また考え事?それともボケっとしてただけ?あんまり意識他にしてると危ないよ」
心の声をそのまま口に出されたようで苦笑してしまった。
「うん、気をつけるね。ありがとう。天野さん」
天野風花。
私に一番最初に話しかけてくれた子。
ボブで小柄で鞄や携帯に可愛らしいぬいぐるみをつけてる女の子。
だけど中身はすっごくサバサバ。
なんとなく一緒に行動するようになった。
休日に一緒に遊んだり、各授業の間の休憩時間にお話したり、一緒に登下校したり。
そんなことをするわけじゃない。
移動教室は一緒に行動して、お昼ごはんを一緒に食べて、たまに用件があるメールを送りあう。
私は彼女とのこの距離感が好きだ。