君と想い出をもう一度
目覚め、旅
◇゜。◆.・◇。゜◆・.◇゜。◆
煌々と降る光。
瞼の中まで侵入して来るそれに、少女は顔を背けた。
「ミュウ…?」
何故か懐かしい、愛しいと感じる声に呼ばれた。
呼ばれた気がする、と言った方が正しいのか。
目を開ける。
ベッドの脇に同じ位の年の青年が立っていた。
綺麗…
率直な感想だった。
焦げ茶色の髪に琥珀の瞳、整った顔立ち。
日の光にキラキラ輝いて…どうしてだろう。
胸がキュッと切なく痛む。
「ミュウ、目が覚めたのか…!!良かった…」
ラルムが力が抜けたかのようにミュウに話しかけると、─────戸惑った顔をした。
「…え、あの。どちら様ですか…」
本当に申し訳なさそうに。
それはまるで、
「すみません…」
他人に話すように。
困ったように言葉を紡ぐミュウに、ラルムが優しく微笑んだ。
「俺はラルム=シュゼットだ。…お前、自分の名前は分かるか」
「はい。えと、」
あれ。何で、何で出てこないの。
言おうとしたが何故か出てこない。
何かに思考回路を邪魔されているような、そんな感覚だ。
「分か、りません」
ラルムでなければ聞き取れなかったかもしれないような小さな声で、ミュウが呟いた。
「お前はミュウ。ミュウ=ジーヴルって名前だ」
不思議そうな顔でミュウが自分の体を見つめた。
「透けて、る……」
「ああ、事故でな。ミュウが元気になったら元に戻す旅に出る」
寂しそうに笑うラルムに、ミュウが首を傾げた。
「貴方も…?」
「勿論。俺はお前の──────護衛だよ」
妙な間があったのは気のせいだろうか。
ともかく、何も思い出せないのだからこの人について行くのが一番かな。
ミュウは首を傾げるばかりである。
煌々と降る光。
瞼の中まで侵入して来るそれに、少女は顔を背けた。
「ミュウ…?」
何故か懐かしい、愛しいと感じる声に呼ばれた。
呼ばれた気がする、と言った方が正しいのか。
目を開ける。
ベッドの脇に同じ位の年の青年が立っていた。
綺麗…
率直な感想だった。
焦げ茶色の髪に琥珀の瞳、整った顔立ち。
日の光にキラキラ輝いて…どうしてだろう。
胸がキュッと切なく痛む。
「ミュウ、目が覚めたのか…!!良かった…」
ラルムが力が抜けたかのようにミュウに話しかけると、─────戸惑った顔をした。
「…え、あの。どちら様ですか…」
本当に申し訳なさそうに。
それはまるで、
「すみません…」
他人に話すように。
困ったように言葉を紡ぐミュウに、ラルムが優しく微笑んだ。
「俺はラルム=シュゼットだ。…お前、自分の名前は分かるか」
「はい。えと、」
あれ。何で、何で出てこないの。
言おうとしたが何故か出てこない。
何かに思考回路を邪魔されているような、そんな感覚だ。
「分か、りません」
ラルムでなければ聞き取れなかったかもしれないような小さな声で、ミュウが呟いた。
「お前はミュウ。ミュウ=ジーヴルって名前だ」
不思議そうな顔でミュウが自分の体を見つめた。
「透けて、る……」
「ああ、事故でな。ミュウが元気になったら元に戻す旅に出る」
寂しそうに笑うラルムに、ミュウが首を傾げた。
「貴方も…?」
「勿論。俺はお前の──────護衛だよ」
妙な間があったのは気のせいだろうか。
ともかく、何も思い出せないのだからこの人について行くのが一番かな。
ミュウは首を傾げるばかりである。