BABY❤LOBERS
「あのさ、俺好きな子出来たんだけど。。。」

突然伝が言った

「うん。。。知ってる」

視線を窓の外に向けたまま返事をする

ケイラも言ってたっけ。

「ありさも、知ってると思う」

「話したの?」


「うん。。。ていうか俺、ありさと付き合う前からその子の事が好きだったんだよ・・・実はね。」

え・・・

驚いて視線を伝に戻すと、私をじっと見つめている伝と目が合った

久々に伝の目を見てどきっとしてしまう

「ありさは・・・知ってたの?」

伝の真剣な目に緊張して、声が震えた

「多分ね。最初は分からないけど、別れる少し前くらいから感づいていたと思う」


「そんな・・・」


「最低だろ?興味本位で付き合って、好きになれなかったから結局傷つけるハメになったし。。。好きな子には応援されちゃうしね」


ふっと悲しそうに笑った伝の顔に胸がズキンと痛んだ


伝にこんな顔をさせる女の子って誰だろう。。。

その子に嫉妬して、思わず言ってしまった

「好きな子って誰・・・?」


言ってすぐに後悔した

伝の目が少し驚いたように大きくなり、私を真っ直ぐ見つめる

伝がこんなに真剣な顔をするなんて。。。

違う人みたいで怖い気持ちと、真っ直ぐな目に捉えられたように体が動かない・・・



ごくっ・・・


伝の口が開きかけて・・・




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