BABY❤LOBERS
ありさと伝が別れてから数日経った――――




あのつんつん髪の男の子はあのあと数回バスで見かけたが、進展は全くナシ。

ケイラや伝とは今まで通り、親友をやっている





今私達は次の授業の担任を、廊下で待っている所だ。


「あぁ~~~。。。だりぃなぁ~。あのハゲ親父はやく教室開けろやぁ~」

とケイラ。

確かに私達の英語の教師はハゲ親父だ。

しかも太っていて、トマトを「トメイトー」と発音するのだからたまったもんじゃない。





ちらっと黙って突っ立っている伝の様子を盗み見る

ありさと別れてからも何一つ変わっていない

ただ、少しぼーっとしている事が多くなったかも。。。


「伝・・・」

おそるおそる声をかけてみる

「ん?」

「なんか最近ぼーっとしてない?大丈夫・・・?」

「え・・・「こいつ、新しく好きな奴が出来たんだってよ!」

ケイラが伝の言葉を遮って言った

「そうなの!?何でまた言ってくれないのよ~~」

いつもケイラにばっかり言うのにさ~


「ちょっと色々あって。。。」

伝が私から目を逸らしながら言った

「ふーん。。。」






そのときの私は伝の気持ちにこれっぽっちも気付かずにいたのだった―――――。

「おい武田~、お前ちょっとコレ保健室に持っていってくれないか~。」


授業の後、1人残っていた私に先生が書類のような物を渡す



お。。。重いっ!


「じゃ、頼んだぞー」

と先生、私に任せて行ってしまったではないか!

ちょっとちょっと~。。。

コレ1人でってムリあるだろー!

こんな時にケイラか伝がいれば助かるのに~~~(泣)

が、こんな時に限ってケイラはサッカー、伝は授業の後すぐにどこかへ消えてしまった


はぁ~~~

大きなため息をひとつ吐き、よろよろ歩き出す

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