腹黒スマイル王子
「でも、暫くは忙しくて会えそうにないな。」


「うん。朝も早く行かなきゃだしね。」


「俺に会えなくて寂しいんじゃないの?」


意地悪な顔で言ってきた。


「べ、別に寂しくないよ。理人こそ寂しいんじゃない?」


あー、なんで私って素直じゃないんだろう。本当は毎日でも理人に会いたいのに。

「あー、寂しいさ。俺は毎日でも陽向に会いたいからな。」


ホントに。
私は自分が言った嘘に落ち込んだ。


「お前ってホント分かりやすい。

今、自分の言ったことに後悔してんだろう。」

なんで分かるの?


「ホントは、私も毎日理人に会いたいよ。」


「そんな可愛いこと言われたらお前と離れたくなくなっちまうだろ。」


ギュッ!

「ちょ、ちょっと理人!ここ学校だよ。」

「分かってる、分かってる。でもちょっとだけ。」


「ちょっとだけって!こらっ、

キャッ」


いきなり私の胸元にキスしてきた。

「いたっ!」

「これで、暫くは我慢できるだろ。
寂しくなったらこれを俺だと思えよ。」

そう言って理人はキスした所に指を当てる。

私は持っていた鏡でキスたれた場所を見るとほんのり赤く充血していて驚いた。

これって、まさかキスマークってやつ!?


寂しくなったらこれを見ろだなんて、理人を思い出して余計我慢できなくなるよー。
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