腹黒スマイル王子
クスッ


「何笑ってんだよ。」


「だって、海斗分かってないんだもん。」


「はあー?なにが。」


「私が言うのも変だけど、きっと海斗は私より好きな人がいるんだよ。自分で気付いてないだけで。」


「お前より………?」


「きっと海斗の好きな人っていつも海斗の側にいて支えになってくれてる誰かさんなんじゃないの?」


「お前、俺より俺のこと知ってない?」


「ふっふ。かもね。」

「でも、お前に誰かは聞かねぇよ。自分の好きな人位自分で考えるよ。」


「そうだね。海斗ならきっと分かるよ。」


「陽向!」


私は急に腕を捕まれた。

「りと!」


「海斗先輩。悪いけど陽向は譲れないから。」


「はあー、お前何いってんの。

俺今、陽向にフラれた所だから安心しろ。

何があったか知らないけど、陽向のこと泣かすなよ。」


「じゃあな陽向。ありがとな。」
< 109 / 144 >

この作品をシェア

pagetop