腹黒スマイル王子
そんな風に見てたら山神くんと目があった。

すると彼はニコッと笑ってきた。

思わずドキッ!

ドキッ!って何よ。1人突っ込みをしてしまった。

「ねぇ、陽向知ってる?
山神くん入学式の総代やったんだって。
あんなに顔もいいのに頭もいいなんて、凄いよね。」

顔がいいのは美人もだけど。心の中で呟いた。

「へぇ~、ほんと凄いね。確かにイケメンだよね。」

「うん。それでね、なんと、ファンクラブまでできたんだって!」

「でね、ファンクラブの子達の間では、スマイル王子って呼ばれてて、山神くんが微笑むとそれを、王子様スマイルって言うんだって。」

「嘘?マジで!
何か違う世界の人って感じだね。」

「そんなことないですよ。」

振り向くと山神くんが後ろに立ってた。美人は用事があるとかで逃げた。

美人~~~~。

「聞こえてた。 ははは、なんかごめんね。自分の噂話しなんて聞きたくないよね。」


すると山神くんは屈んで私の耳元で

「いいですよ。陽向先輩が俺のこと考えてくれるならどんな噂話しでも。」

低くい声で囁いてきた。

キャッ!

いつもの王子様らしくない話し方。

山神くんだよね?

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