腹黒スマイル王子
「俺の叔父さん。さっき陽向も会っただろう。あの人実はあの雑誌の出版社の社長なんだ。
どこで調べてきたのか知らないけど山本の上司、まあ、要するに編集長が俺を是非専属モデルにしたい。って言ってきたらしい。
初めは叔父さんも断ってたらしいんだけど、会社の業績がここのところ電子書籍に押されててあまりよくないらしくて会社の為に是非って終いには部長クラスの役員達にまで言われたらしい。」


なにそれ。なんかドラマかマンガの世界。

「それで、理人はどうするの?」


「叔父さんって俺の親父のお兄さんなんだけど、まだ親父が大学生だった頃両親が亡くなって叔父さんが学費やら生活費やらの面倒を見てくれたみたいでそのことを子供の時から聞かされてた俺は無下に断ることが出来ないんだよね。」


「理人は、どうしたいの?」

「そりゃー、やりたくないって言ったら嘘になるけど…………。」


「もう答えはでてるんでしょ。」


「今までみたいに陽向と会える時間が少なくなるけど、それでもいい?」

わたしのこと?

理人は、いつだって私のこと一番に考えてくれる。だから私も理人やその家族を一番に考えてあげたい。


「大丈夫だよ。私が理人を好きって気持ちは変わらないから。」


もう私は理人以外考えられないもん。
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