腹黒スマイル王子
次の週改めて山本さんと編集長の佐伯さんが理人に会いに来た。

私もなぜか理人に無理やり連れて来られて隣に座らせられている。



「こちら編集長の佐伯さんです。」


「こんにちは。理人くんだね。

こちらは?」


「俺の彼女の如月 陽向です。」


「こ、こんにちは。

すみません。私まで同行しちゃって。」


「俺が無理やり連れて来たんです。」


「全然構わないよ。

へー、理人くん随分と素敵な彼女じゃないか。」

素敵だなんて言われた事と場違いな所に来てしまったと思う気持ちで私はずっと俯いたままだった。

「山本の方から話は聞いてると思うけど、理人くんには是非うちの雑誌のモデルになってもらいたい。」


「理人くんなら絶対人気モデルになるわよ。」

「そう願いたいね。それで理人くんから何か質問はある?」


「質問と言うより要望です。

まず、学校と部活は休みたくありません。

それと、俺にとってモデルはバイトとして割りきってやろうと思ってます。だからどんなに長くても学生のうちだけしかやりません。

それに雑誌のモデル以外はやらないです。

最後にこれが一番重要なことで、陽向との関係が悪くなるようなことがあれば即辞めます。」


「なかなか手厳しいなあー。

学校は休まないで済むようこちらとしても配慮するけど正直部活は時々休んでもらうようになると思うよ。
君はバイト感覚かもしれないけどこちらは生活かかってるからね。多少は融通きかせてもらうよ。

まあ後は追々決めていくとしてそれでこっちは構わないよ。」


「それでは、契約成立ってことで。」

山本さんは自分の目に狂いはないって自信満々だった。
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