腹黒スマイル王子
あれから1ヶ月が経った。


理人は学校には来てもなかなか部活に出れないことが多くなった。それでも私と会う時間はなんとかつくってくれる。


「最近疲れてるんじゃない?」


「そんなことないよ。陽向に会えると疲れも吹き飛ぶさ。」


「また雑誌に載ってたね。思わず買っちゃった。」

「あーぁ、最近はananだけじゃなく他の雑誌にも出させられてるからな。同じ系列だからとか何とか言って。」


「うん。この前なんて表紙飾ってたもんね。
ほら、モデルのミカと。」

この前雑誌の特集で『両想い』ってタイトルで理人とモデルのミカが仲良よさそうに雑誌に載っていた。

私は理人の彼女だけど、見ていて辛い。


「もしかして、陽向焼きもち焼いてくれてんの?」

うっ、その通りです。


「そ、そんなことないよ。

いやー、二人ともお似合だなーと思って。」


「バーカ、

俺は陽向しか見えてねぇーよ。

安心しろ。」


嬉し過ぎるよー。


「うん。分かってる。」
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