腹黒スマイル王子
街はクリスマスイルミネーションがキラキラ輝き恋人同士は幸せそうに歩いていた。家族が待っているだろう人達も家路に向かうためやはり幸せそうに歩いていた。

そんな幸せそうな人達と対象的に私は涙を流しながら歩いていた。もう自分が何処を歩いてるのかさえ分からなかったけど、止まることもせずただひたすら歩いた。


理人は悪くない、だって仕事なんだし。それは分かってるでもやっぱり見たくないよ。理人が他の子と仲良くあんなことしてるとこなんて。


涙があとからあとから溢れてくる。




「ひなた!」

名前を呼ばれるのと同時に後ろから抱きしめられた。

「陽向、頼む逃げないでくれ。」

切ない理人の声が私の頭の中に響いてくる。

「は、離して。」

今は理人の顔見られないよ。

「イヤだ!離したら陽向逃げるだろ。」


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