腹黒スマイル王子
「理人、あのね。私理人が載ってる雑誌、全部買ってるんだ。」

私が何を言い出したのかと不思議そうに見る理人に私は自分の思いを話した。

「確かにモデルのお仕事するようになってあんまり会えなくなったけど、私は理人に沢山会ってるんだよ。色んな理人を見れて私凄く嬉しいんだ。それに理人が学校と部活とモデルの仕事を一生懸命やってるのも知ってるし。」


「ひ な た。」


「さっきは凄く驚いてショックで逃げちゃったけど、私は理人にモデルを辞めて欲しくない。」


「でも、またお前を傷付けちゃうかもしれないぜ。」


「うーん。そうかもしれない。でもやっぱり理人のこと嫌いになれないし、理人に逃げて欲しくない。」


「陽向、抱き締めてもいい?」


えっ?いつも何も言わず突然してくるのに。

「う、うん。いいよ。」

「良かった。」


息が止まるくらい理人は私を強く抱き締めた。まるで私にすがるように。こんな理人は初めて。
そんな理人が愛おしくなり私もめいいっぱい抱き締めると

ビクッ

理人の身体が一瞬弾かれた。
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