腹黒スマイル王子
グラウンド中の女の子達がギャーギャ言うなか山神くんはまったく気にも止めずに私を医務室まで連れて行ってくれた。


私は視線が痛すぎてずっと俯いていた。


医務室につくと山神くんは、私をベッドに座らせてくれた。

「先生~!

あれっ?先生いねぇーな。

そう言えばリレーで何人か派手に転んでたから手当てしてるかもな。

こりゃ、しばらく来そうにねぇかも。」

そう言いながら山神くんは私のとなりに腰掛けた。


「あ、ありがとう。ごめんね、迷惑かけちゃって。もう大丈夫だから。クラスの皆の所に戻っていいよ。」


「 俺さあー、ここんとこ部活と体育祭の練習に、それと今日は予定より色んなのに出させられて疲れてんだよね。
しかも陽向を抱っこしてここまで連れてきたし。」

「うん。ほんとごめんね。

山神くん色んな種目に出てたもんね。」


「えっ、陽向気づいてたの?」


「うん。だって山神くん目立つから。」

なんかこれじゃあまるで私が山神くんのこと探してたみたいじゃない。
確かにちょっとは探したけど。


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